監修:島村トータル・ケア・クリニック穀物菜館館長
(管理栄養士)野口 節子先生
(管理栄養士)野口 節子先生
中性脂肪とは
血液中に存在する脂質には、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、遊離脂肪酸などがあります。そもそも中性脂肪とは、エネルギーを体内に貯蔵するためのもので、皮下脂肪はほとんどが中性脂肪でできています。血中の中性脂肪が過剰に増えた状態を「高中性脂肪症」といい、中性脂肪とコレステロールのどちらかあるいは両方が過剰に増えた状態を「高脂血症」といいます。
中性脂肪値の見方
血中中性脂肪値の正常範囲は、空腹時で50〜149mg/dl。これを超えると治療が必要となります。男性の場合、加齢に伴って増加する傾向があり、中年太りの原因ともなります。女性は男性に比べて中性脂肪値が低い傾向がありますが、閉経後にはコレステロール値が高くなり、中性脂肪値も高くなりやすくなります。
【空腹時中性脂肪値】
※高血圧症や糖尿病、喫煙習慣など、動脈硬化の危険因子が他にもある場合は、診断基準が厳しくなります。
空腹時中性脂肪値 | 正常範囲 | 50〜149mg/dl |
要治療 | 150mg/dl以上 |
動脈硬化の危険因子
中性脂肪が多少高くなっても、すぐに体に悪影響が現れるわけではありません。しかし、血液中の中性脂肪が多い状態が続くと、動脈硬化のリスクが高まります。中性脂肪が多い上にコレステロールも高かったり、高血圧、糖尿病の合併、喫煙、ストレスなどが加わると、さらに動脈硬化の危険性が増大します。