監修:東京家政大学家政学部教授
元国立がんセンター栄養管理室長
(管理栄養士)荒木 順子先生
元国立がんセンター栄養管理室長
(管理栄養士)荒木 順子先生
高コレステロール血症とは
血液中に存在している脂質には、コレステロール、中性脂肪、リン脂質、遊離脂肪酸の4種類があります。これらが血液中に正常値より増えた場合を、高脂血症といいます。一般に、高脂血症というと、高コレステロール血症と高中性脂肪血症、さらにはこの2つが混在しているものがあります。そのうち、コレステロール値が高くなった場合が高コレステロール血症です。
コレステロール値の見方
血液検査では、総コレステロール値のほかに、HDLコレステロール、 LDLコレステロールの値を調べます。通常、悪玉コレステロールと呼ばれるのは LDL(低比重リポ蛋白)で、HDL(高比重リポ蛋白)は善玉コレステロールと呼ばれています。高コレステロール血症と診断されるのは、LDLコレステロール値160mg/dl以上(総コレステロール値240mg/dl以上)です。
【高コレステロール血症の診断基準】
※高血圧症や糖尿病、喫煙習慣など、動脈硬化の危険因子が他にもある場合は、診断基準が厳しくなります。
総コレステロール | LDLコレステロール | |
適正域 | 220mg/dl未満 | 140mg/dl未満 |
境界域 | 220〜239mg/dl | 140〜159mg/dl |
高コレステロール血症 | 240mg/dl以上 | 160mg/dl以上 |
高コレステロールが怖いのは
コレステロールの高い状態が続くと、動脈硬化が進み、血管が狭くなってきます。しかし血管が75%まで狭まるまでは、なんとか100%の血液が流れます。したがって、胸の痛みや階段の上り下りでの息切れ、頭痛、めまいなどの自覚症状が出たときには、血管は75%以上が詰まった状態になっているのです。そして心臓の冠動脈で動脈硬化が進行すると、狭心症・心筋梗塞などが、脳動脈の硬化では脳梗塞などになってしまうのです。検査結果でコレステロール値が高い方は、早めに医療機関を訪れ、食事療法や運動療法などの指導を受けることが大切です。