血圧を下げる方法としては、運動やストレス解消などもありますが、
やはり中心となるのは食事の改善です。
(管理栄養士)増田 さく先生
1.塩分を少なく
塩分の1日の所要量は10gとされていますが、高血圧が気になる方ではできるだけ抑えることをおすすめします。味付けは薄味に、かけじょうゆはやめるなどの工夫で減らす努力をしてください。外食や市販の総菜、加工食品にはかなりの塩分が含まれているので、注意が必要です。
2.肥満の解消を
肥満の人が減量することによって血管の圧力が下がり、血圧が下がることが多く見られます。減量すると膵臓から分泌されるインスリンが増え、それによって血糖値が下がり、血管が傷みにくくなって血圧が下がることも知られています。いずれにせよ、肥満は高血圧の大敵です。
3.栄養をバランスよく
1日にとるエネルギーのバランスは、糖質(炭水化物)50〜60%、たんぱく質15〜20%、脂質20〜25%が理想とされます。たんぱく質は、動物性と植物性を1対1程度にします。脂肪は動物性と植物性を1対1.5程度にします。
4.植物油と魚の脂をとる
植物油や魚の脂に含まれる多価不飽和脂肪酸には、血圧の上昇を抑える作用があります。ただし、酸化しやすいのでできるだけ新鮮なものを使うようにします。
5.ビタミンをたっぷり
野菜や柑橘類に多く含まれるビタミンCや、そばに含まれるビタミンPは、血管を強くする作用があります。また植物油や豆類、卵に多いビタミンEには末梢血管の血液循環をよくして血管を守る働きがあります。こういったことから、これらのビタミンをたっぷりとることで血圧の上昇が抑えられるようになります。
6.ミネラルを充分に
ミネラルは新陳代謝を盛んにして、血圧の上昇を抑える作用をします。中でもカリウムはナトリウムに対抗して血圧を上げないようにする働きがありますので、カリウムが豊富な野菜、果物を多く食べるようにします。
【カリウムを多く含む食品(過食部100gあたり)】
アボガド | 720mg | ホウレン草 | 690mg | 枝 豆 | 590mg |
たけのこ | 520mg | 西洋かぼちゃ | 450mg | レンコン | 440mg |
バナナ | 360mg | にんじん | 280mg | ニガウリ | 260mg |
だいこん | 230mg | いちご | 170mg |
7.タウリンを含む食品を
たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、タウリンやメチオニンといった硫黄を含んだものには血圧を下げる作用があり、できるだけとるようにしたものです。
【タウリンを多く含む食品(可食部100gあたり)】
ほたて | 769mg | あさり | 664mg | たこ | 520mg |
たら | 300〜 450mg |
いか | 350mg | ひらめ | 171mg |
くるまえび | 150mg | あじ | 75mg | かつお | 60mg |
いわし | 20mg |
8.食物繊維もたっぷり
溶性食物繊維にはナトリウムを包みこんで排出する働きがあるので、血圧の上昇を抑えます。水溶性食物繊維はコンニャク、キノコ、海藻、果物に多く含まれます。
9.アルコールは控える
適度なアルコールは血圧を抑える作用がありますが、飲み過ぎはかえって血圧を高めることになります。適量は個人差がありますが、一般には1日に25gまでとされ、これは日本酒に換算すると1合、ビールなら大ビン1本に相当します。